ニュースの学校今日のテーマは重要広範議案 重要に広い範囲の議案と書きます国会の主な仕事は様々な法律を作って議論することです 毎年 1 月から通常国会が開かれていて会期は 150 日間必要があれば年 1 回に限り延長されます
今まさに会期中で予算案のほかに内閣が提出する約 60 の法律の案法案も話し合われています内閣が提出する法案のうち最も重要とされる法案のことを重要広範議案と言います通常国会では 4 本内閣が必要と認めた時に開かれる臨時国会では 2 本までが慣例となっています
そもそも衆議院と参議院の会議には大きく分けると本会議と委員会があります原則としてまず委員会の方で詳しく審査されますその審査が終わったら本会議で審議されることになります委員会というのはそれぞれ 10 名から 45 名程度の少人数で組織されています本会議の審議に先立って法律案などの議案の内容を詳しく専門的に検討しています
農林水産委員会環境委員会予算委員会など様々な種類があります衆議院と参議院にそれぞれ 17 の常任委員会と特別委員会が置かれています委員会での議論を終えると本会議に議論の場所が移されますここは議員全員の会議で公開が原則となっています本会議を開くには総議員の 3 分の 1 以上の出席が必要となります
特別の場合を除くと出席議員の過半数つまり半分より多い賛成が得られたら可決されますそして政府が提出する法案の扱いというのは 2 種類あります一つ目は本会議とか委員会での審議に先立って担当大臣が法案を提案した理由とその内容を説明する趣旨説明というのを本会議上でするものです
大臣が遠大に立つため登壇者とも呼ばれてより重要度が高いものになります。もう一つはこの大臣による説明を議員全員が参加する本会議ではなくて人数の限られた委員会での説明のみに限る法案です。
ちなみにこの法案の内容を説明するということは、永田町では通称お経読みとも呼ばれているそうです官僚が作成した説明文を延々と読み上げる、そのことが実にお経のようだということで定着したそうですお経読みは半世紀以上前の議事録にも記録が残っていて、今も使われている官用句となります
先ほど説明した本会議場で担当大臣が説明をする登壇ものその中でもさらに特別扱いをされているのが今回のキーワードとなる重要広範議案ですじっくり議論することが求められて衆議院の委員会での審議時間も最低 20 時間程度が目安になっていますなぜ重要視されているんでしょうか
それはですね首相自身が本会議で質問に答えたり委員会に出席したりする総理入りそういった機会があるからなんです何を重要広範議案にするかというのは誰が決めているんでしょうか与党と野党が協議して決めることが多いですが野党の意向が大きいとされています首相が出る質疑というのは注目度が高くなるので野党にとっても見せ場となるんです
国会が始まって内閣提出法案が出そろってくると、議院運営委員会の法案担当の野党の理事、その人が野党内の希望をまとめて本数を絞って、与党の担当理事に打診しています。いつから始まったんでしょうか。かつてはですね、首相がすべての内閣提出法案の趣旨説明に出席していました。
ただ、2000 年に党首討論が始まって負担軽減などのために趣旨説明に出席する法案を絞り込むことになったとされていますこれまでどんな法案が選ばれてきたんでしょうか例えば 2013 年の特定秘密保護法デジタル庁の設置を定めた 2021 年の法律その翌年の子ども家庭庁の設置に関する法律そういったものが選ばれてきました
今国会ではどういう法案があるでしょうか所得税がかかる年収の最低ライン 103 万円の壁をどうするか議論している所得税法の改正案それからネット上の通信情報を収集分析してサイバー攻撃を防ぐ能動的サイバー防御 ACD の導入に向けた法案それから公立学校教員の給与を増やすことなどを盛り込んだ法律の改正案
最後に年金制度の改革に関する法案この 4 種類の法案が指定されることが決まっていますそれではここで締めクイズ内閣が提出する法案のうち最も重要とされる法案のことを重要広範議案と言いますが通常国会ではこの法案はいくつ選ばれるでしょうか
はい覚えていないよという方は番組をもう 1 回最初から聞いていただくかもしくはリンクの記事を読んで理解を深めていただければと思います記事へのリンクは番組をタップしたりスクロールしたりすると出てきますというわけでお相手は朝日新聞の木田光でした