Shownotes Transcript

ニュースの学校今回のテーマは刑事責任能力刑事責任能力とは刑事責任を問えるかどうかの能力ということになるんですがもう少し説明をします人間にはですね物事が良い悪いこれを判断する能力というのがありますねこういうことはやっていいんだ

いややっちゃダメなんだっていうことは子供の頃からねみんなそれを習いますそれでわかるんですけれどもそして悪いことはやらないっていう風にね自分のことを制御することができますよねこれが犯罪があった時に刑事責任を負わせる前提になります何を言ってるのかということなんですが犯罪行為

例えば極端な話にはなりますが人を殺してしまう物を盗んでしまうとかいうのもありますし火をつけて火事を起こすとかいろんな犯罪がありますけれども人を殺すという話に関して言いますとこれが犯罪行為それに対して刑事責任というのがあります例えば人を殺してしまった場合なんですけれども

懲役何年といってですね刑務所の中に何年間入ってくださいとそして必要な仕事をしてくださいあるとか非常に重い罪の場合には死刑というのがあって要するにあなたは死をもって罪を償ってくださいということになるこれが刑事責任ということですね

この犯罪行為に対する刑事責任というのが問われる警察が捜査をして容疑者を逮捕し

検察が起訴をしてですねそして裁判所で本当にその人が犯人だったのかあるいはそうじゃないのか犯人だったとしてどれぐらい罪の重さがあるのかっていうのを判断するわけなんですけれどもこういうものの前提になっているのはしかしこの人が物事の善悪を判断できるということにあるんですね

なので判断できない人というのは罪には問えないということになっているんですねこれも程度がありまして責任能力が全くないこれは心身喪失者というふうに言います心身というのは心に神様の神と書いて心身

喪失者失っているところですねだからもう心身喪失をしている状態いたんというふうにね言いますけれどもこういう人は罰しないつまり無罪になります人を殺していても無罪になってしまうということがあるんですねはいそれからこの責任能力が著しく低下しているこれを心身高弱というふうに言いますで刑が軽くなります

どういうことなのか心身喪失にしろですね心身交絡にしろですねどういうことなのかと言いますと要するにこれ心の病気であるということなんですね心の病気というのは本当にいろんな種類がありますしちょっとまだよくわかっていない部分なんかもあるようですけれども例えば幻覚を見ているとかですねそれからですね妄想にとらわれている

殺人事件なんかに関してもですね私はこのままだと誰かに特定の人に殺されてしまうんじゃないかっていうような妄想や幻覚を抱くとそれでありもしない幻想に囚われて誰かを殺してしまうみたいなこともあるわけなんですけれどもそういう時にこの人はもともと善悪の判断ができませんよねと

そうしたらもうちょっと責任は問えないもしくは軽くするしかないんじゃないですかっていうようなことが検討されるんですね

なんでそんな規定があるのかというふうに言いますと規範意識というのが大事でしてつまり法律に書いてあることなんかが全くわからない理解できない人に対しては刑罰を与えても意味がないということになりかねないわけですねもう少し詳しく言いますと心の病気で犯罪を犯してしまった人をどれだけ刑務所で働かせても

何も良くならない病気なので治療しなきゃいけないんですねお医者さんに行って入院をするとかそういうことが必要なわけですなのでそうする罪を刑罰でもってですね償わせるというのではなくて病気を治すというふうに対応するというのが法律の考え方なんですねなのでこの場合は無罪になったり刑が軽くなったりしますはい

ただそうするとですね無罪になりたいがためにですね心の病気のフリをする人っていうのが出てくるかもしれませんよね実際にそういう例というのはあるわけですなので責任能力があるかないかっていうのは専門のお医者さんが判断をします精神鑑定というのをするんですね

でこの場合にはですね鑑定留置と言いまして本人と面接をしていろいろ話を聞いたりそれから親族ですね親であったり家族であったりつながりのある人あるいはお友達とかにいろいろ聞き取りをすると本当にこの人は心の病気なんでしょうかっていうのですね様々な角度から聞き取るわけですね

でこういうことを通じて事件が起きた当時の精神状態というのを調べますでこういうふうにまとめた結果をもとにしてお医者さんが判断するんじゃないですお医者さんの意見をもとに裁判官あるいは裁判員が判断をするということですね

で例えばこれ例を挙げますとですね 2019 年に起きた京都アニメーション放火殺人事件というのが皆さんもねちょっと聞いたことあるっていう人も多いんじゃないかなと思いますけれどもなんと 36 人ものね方が亡くなるという大変にあの悲惨な事件がありました

この時に殺人などの罪に問われた被告に対してですねやはりですねこの人は心の病気だったのではないかというふうに問われましてですねそこが判決を出すときにポイントになりましたどういうことかというとこの時の被告事件を起こしたんじゃないかとされている人ですねこれは認めてるんですけれども事件を起こした人なんですけれどもは

10 年以上にわたってですね闇の人物に監視されていたとあるいはこの京アニ京都アニメーションが自分の小説のアイデアを盗んでいたというような妄想に囚われていたっていう風に言ってるんですねこれは事実ではありません京アニはこの人の小説を盗んだりはしてないんですけれどもだけれどもそういう妄想があったというわけですね

ここが本当だったら罪には問えないんじゃないかという話がポイントになりました争いになったわけですね結局その判決京都地方裁判所で行われた判決の中ではですね 2024 年のことですけれどもそういうふうに被告は言っているけれども例えば事件の 3 日前に京都で現場の下見をしていると

それからガソリンを使って放火するっていう準備をしているとそれからですね犯行の直前に現場の近くで十数分 10 分以上の間思い悩んでたっていうわけですね多分ですねそこで本当に放火をするのかしないのかっていうのを迷っていたっていうことですよね

こういうようなことから考えると善悪何が良くて何が悪いかっていうのを判断区別することはできたよね思い留まることだって期待できましたよねっていう風なところから心身の喪失あるいは心身交絡という状態ではなかったという風に判断をされています

でこの人は死刑を言い渡されましたはいでここがポイントでして結局そのどういうような精神の状態だったか心の病気だったか否かっていうのを裁判官裁判員が判断する材料っていうのによってその辺というのを判断変わってくるわけですよねなので

いろんなケースがあるんですけれども同じ事件でですね医者によって判断が違うということもあるわけですよこの人は心身喪失状態でしたいや全く心身喪失状態ではなく刑事責任能力がありますそういうふうに判断が分かれることもあるんですよねこれ実は別に珍しいことではないらしいです

というのもやっぱり数字で表したりするようなことができないんですよね心の病気なので本当にその幻覚にとらわれていたのかいないのかなんていうことをパキッと判断するっていうのはなかなか難しいわけですよねということでそこは裁判官とか裁判員がいろいろ話し合ってそれからその医師実際に精神鑑定をした医師なんかと十分に説明をしてもらって

あるいは疑問に思ったところを尋ねてですねそういうやりとりを通じて本当に責任能力がなかったのかそれともあるのかっていうのを裁判の中で見極めていくというようなことになります

ちなみにその心身喪失の状態ですよということで無罪ということになりますとただなってもこれは治療が必要だということですからここでまた裁判官と医師が相談をしまして精神科の病院に入院するのかあるいは入院するほどではないので通院

病院に通うということで対応できるのかなんてことを決めていくそうですこれには指定入院医療機関という特別なお医者さんがあってですね全国に 35 箇所あるということですそれではここで締めクイズ今回は刑事責任能力の話をしてまいりましたけれども責任能力が全くないこれは心身喪失者と呼びました

では全くないわけではないんだけれども著しく低下していると責任能力がですねいう人のことを何々何々者と言いますが何だったでしょうかこの人たちはね経が軽くなる全くなくなるというわけではないんですが軽くなるんですが

なんというふうに読んだでしょうかはいちょっとわからないという方はですねぜひ番組をもう一度最初から聞いていただくかもしくは記事の方を読んでいただければと思いますというわけで今回お会いでは朝日新聞神田大輔でした