映画『大きな家』は、児童養護施設に暮らす子どもたちに4年間密着し、合計600時間の撮影を行い、その映像を2時間にまとめたドキュメンタリー映画です。子どもたちのリアルな生活や感情が描かれ、特に18歳で施設を出なければならないというルールや、その後の自立への不安がテーマとして取り上げられています。
映画『大きな家』は、児童養護施設の子どもたちのプライバシー保護の観点から、顔や個人情報が公開されないように配慮されています。そのため、配信やDVD化ができず、映画館という限定された環境でのみ上映される仕組みになっています。また、映画館での上映収益が増えることで、さらに多くの映画館で上映できるようになるという仕組みも理由の一つです。
撮影は、最初の1年間はカメラを回さずに子どもたちと打ち解けることから始まり、その後徐々に撮影時間を増やしていきました。子どもたちとの信頼関係を築きながら、彼らの日常を自然な形で捉えることに重点が置かれました。編集も、子どもたちの言葉や行動をそのまま活かし、大人の意見や恣意的な要素を極力排除するように心がけられています。
児童養護施設では、子どもたちがグループごとに家族のような形で生活しています。キッチンやダイニングがあり、職員が家庭料理を作り、大きなテーブルで一緒に食事をします。スタッフは子どもたちと親しい関係を築き、あだ名で呼び合うなど、非常に近しい関係性が描かれています。また、18歳になると施設を出なければならないというルールがあり、その後の自立への不安もテーマとして取り上げられています。
監督は、映画を通じて児童養護施設の子どもたちのリアルな生活や感情を伝えることを目的としています。特に、子どもたち自身が大人になった時に見返しても懐かしく感じられるような映像を残すことを重視しています。また、映画館での上映を通じて、多くの人にこのテーマを知ってもらい、子どもたちの未来を考えるきっかけにしてほしいという思いも込められています。
斉藤工は、児童養護施設でのイベントで子どもたちと交流したことがきっかけで、この映画の企画・プロデュースを手がけました。当初は一度きりの訪問の予定でしたが、子どもたちとの絆を感じ、その後も足しげく通うようになり、今回の映画制作に至りました。彼は、映画を通じて子どもたちの日常を知り、何かできることはないかという思いを強く持っています。
竹林亮監督 × 齊藤工 企画・プロデュース 映画『大きな家』について。言いたいことは一つ。とにかく観てください!
映画『大きな家』
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