「そこ☆あに」805回目は、『アリスとテレスのまぼろし工場』特集です。 岡田麿里脚本・監督による2作目のオリジナル映画。アニメーション制作はMAPPA。2023年9月15日公開。
「製鉄所の企業城下町、見伏。 冬のその日、14歳の菊入正宗は、いつものように仲間達と過ごしていると、 町の製鉄所が突然爆発し、空にひび割れができた。 しばらくすると何事もなかったように元に戻ったように見えたが、 実際は元通りではなかった。
触れてはいけない 話してはいけない 好きになってはいけない この町で変化は悪」
タイトルが示す通り、見る者の哲学によって非常に感想が変わる、ある意味で受け口の広い寛容でやさしい作品だと私は受け取りました。ただ、哲学だからこそ、私が勝手に感じた“やさしさ”を他人がどう受け取るのかも人それぞれ。「なんて厳しい」「そんなことを突きつけないでくれ」とつらくなった人もいるんだと思いました。作品を見てどう感じたのか。この後味は誰でもない自分だけのものであることを大切にしたいし、してほしいと思うし、これほどまでに各人によって感想が変わる作品を作れるクリエイターはそうそういるものではありません。岡田麿里の真骨頂ここにありという一作を見せてもらった満足感でいっぱいです。これだから岡田麿里はやめられないんだよ!(那瀬ひとみ)
■ 映画「アリスとテレスのまぼろし工場」公式サイト https://maboroshi.movie)
■出演:くむP・那瀬ひとみ・小宮亜紀・米林明子 ■アートワーク:たま ■OP MUSIC by 岩本紗依&小宮亜紀「Fusion」) ■ED MUSIC by NASE☆MIKI「そこそこアニメに恋してる!」作曲&編曲 mampuku)